テーマ図

前回はテーマ図に至るまでの変化についてこちらで検討した。今回はテーマ図からの変化を検討したい。

▲46銀の変化

手順 ▲46銀△44歩▲35歩△45歩▲同銀△35歩▲34銀△33銀▲同銀成△同角▲35角△34歩▲68角△54銀。

▲46銀と出たら、△44歩と対応する。この変化は前回の記事の変化ととても似ている。後手は「歩の損得よりも形の良さ」が根幹の考え方だ。

△44歩に▲35歩△45歩▲同銀△35歩となって、▲同角は△43銀で形が良い。▲34銀の滑り込みに、△33銀とぶつける。

▲33同銀成△同角に、▲34銀は△22角と引いて問題ない。以下▲24歩△同歩▲同飛は△33銀。▲23銀成△同金▲24歩は△39銀で後手指せる。他にも▲34銀に△42角と引いて、▲35角△61玉と右玉にする手も有力。

△33同角に▲35角は、△34歩と角を追う。以下▲24歩△同歩▲同角は△同角▲同飛△57銀▲同金△13角で後手良し。

最終図は次に△65銀や△45銀を狙う。一局だが、後手まずまずの序盤だろう。

▲35歩の変化

手順 ▲35歩△同歩▲46銀△36歩▲26飛△86歩▲同歩△85歩▲36飛△41玉▲35銀△86歩▲88歩。

テーマ図から▲46銀と出るのは△44歩で後手が対応できた。▲35歩△同歩▲46銀とする変化はどうか。これなら△44歩に▲35銀と出れる。

▲35歩△同歩▲46銀に△36歩が手筋だが、これには▲26飛と浮く。△86歩▲同歩△85歩と継ぎ歩するが、▲36飛のとき△32金を受けづらい。△33銀と上がると角道が止まるので、▲85歩△同桂▲88銀で後手失敗。仕方なく△41玉と受けるが、玉が2筋3筋方面に近づくので好んでは指したくない手だ。

最終図は△41玉の一手がマイナスになっている。△36歩は手筋だが、単に△86歩▲同歩△85歩と継ぎ歩する方が勝る。

手順 △86歩▲同歩△85歩▲35銀△86歩▲88歩△33銀▲86銀△34歩▲46銀△44銀。

▲35歩△同歩▲46銀には、すぐ△86歩▲同歩△85歩と継ぎ歩する順が良さそうだ。以下▲35銀△86歩▲88歩△33銀となって、先手はすぐに後手陣を攻略できない。▲86銀と一歩得しておく。

後手は一歩損するが、「歩の損得よりも形の良さ」という考え方を忘れてはいけない。△34歩▲46銀△44銀と繰り出して、形の良さを主張していく。

▲79玉の変化

手順 ▲79玉△54銀▲75歩△63銀▲24歩△同歩▲同飛△13角▲28飛△33桂▲87歩△25歩。

▲79玉と囲う手から見ていきたい。対して△35銀は▲45銀△33金▲36歩△44銀▲同銀△同歩▲87歩となって、後手の角が使いづらい。△54銀と出るのは次に△35銀とぶつける意図だ。

△54銀に先手は▲75歩△63銀と銀を下がらせて△35銀を牽制する。しかし△63銀に▲96歩と待つと、△35銀▲45銀△33金▲36歩△44銀▲同銀△同歩となったとき、先手は7筋がキズになっている。△54銀で△35銀を狙い、▲75歩△63銀と引かせても次に△35銀が狙える状況だ。先手を急かしている意味がある。

▲24歩△同歩▲同飛に△23歩は▲34飛で先手良し。△35銀の筋は消えたが、今度は△13角▲28飛△33桂と反発する。▲87歩に△25歩と上から打つ。

手順 ▲37桂△75歩▲同銀△74歩▲86銀△35銀▲同銀△同角▲同角△同歩▲25桂△37角。

▲37桂に、△75歩▲同銀△74歩と7筋のキズを消してから△35銀とぶつけていく。△76桂のキズがあるので強い戦いができる。△35銀に代えて△21飛としたいが、▲29飛と引いて△26歩に▲25歩を用意すれば先手が対応できる。▲29飛と引くのが重要で、これを怠ると△26歩▲25歩に△46角▲同角△27銀で後手良しになる。

△35銀▲同銀△同角▲同角△同歩となって、▲34歩は△36歩▲33歩成△24角が好手で、後手良し。

▲25桂には△37角と打ち返す。以下▲29飛は△25桂▲同飛△15角成で後手指せる。本命は▲33桂成で、△28角成▲32成桂△29飛でどうか。際どい勝負だ。

▲24歩の変化

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△13角▲28飛△33桂▲87歩△25歩。

次に▲24歩と突く変化を見ていきたい。▲79玉と囲っても△54銀で次に△35銀を見せられると、穏やかな展開にはならなかった。▲24歩は積極的な手だ。

先ほどと同じように、▲24同飛に△13角▲28飛△33桂▲87歩△25歩と反発する。

手順 ▲37桂△21飛▲29飛△26歩▲25歩△46角▲同角△27銀。

先ほどと同じように、△25歩には▲37桂△21飛▲29飛と対応したいが、これには△26歩▲25歩△46角が好手で後手良しになる。▲46同角に△27銀と打って、次に△36銀成が受からない。▲46同歩と取っても△36銀や△35銀で後手指せる。

▲79玉型では△46角は無理気味だったが、今回は▲69玉が戦場に近いので成立する。

課題局面

手順 ▲16歩。

△25歩に▲37桂では△21飛に対応できなかった。先手は▲16歩と突いて、次に▲15歩を見せる。この局面をどう評価するかが重要だ。▲16歩には△21飛、△45銀、△35銀が考えられる。他には△54銀もあるが、守りの銀を動かしているので疑問符がつく。

△21飛、△45銀、△35銀のいずれの変化も難しい。テーマ図△14歩から分岐し、この局面が課題局面だ。

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