目次

▲58玉△52玉の記事から読むとより理解が深まります。

相掛かり同型▲22角成の変化

相掛かり同型▲45歩に△65歩の変化

相掛かり同型▲45歩に△88角成の変化

第1図

相掛かりの同型似た局面だ。後手が△52玉と構えるとまったくの同型になる。

あえて△42玉ー△52玉と一手損をするのは、先手に形を決めてもらおうとする狙いだ。

▲45歩と△65歩は、位も大きいし▲68銀ー▲57銀ー▲46銀左の理想形が目指せるメリットがあった。一方で▲45桂△65桂と跳ねるスペースがなくなる。▲45歩の価値が一長一短あるので、後手はあえて一手損するという作戦がとれる。

第1図から①▲22角成 ②▲45歩が考えられる。

第2図

まずは①の▲22角成から。△同銀に▲68銀と銀を中央に使う。

後手は銀冠を目指し、先手は▲66歩ー▲67銀とお互い好形に組めた。

▲77桂より前に▲45歩としたのは、△44歩とされるのを警戒したから。△52玉型ならば△44歩に▲45歩△同歩▲同桂△同桂▲46歩の攻め筋があったが、今回は△42玉型なので▲45歩に△同桂で失敗する。

最終図、先手は次に▲46角と打つ味がいい。これは一局であるが、この展開では後手が△42玉ー△52玉と一手損した甲斐がない。△12香ー△11飛のようにパスするよりも指したい手があるので、後手としては好まない局面だろう。

▲45歩の位は大きいので、早めに△44歩とついて位を拒否する手もある。

▲66歩△52金▲67銀△43金左▲77桂△32玉のように進むと先手の打開が難しい。

こうなれば後手まずまずの序盤だ。

ただ△44歩とついた瞬間▲26角は気になる。△53金の受けに▲45歩と仕掛けていく。

先手の攻めも細く際どいが、後手は気持ち悪い格好だ。

△44歩が通れば大きいが、△44歩とついた瞬間は怖い。

第3図

▲68銀に△65歩と位を取るのはどうか。しかしこの場合は▲77桂と跳ねることができる。

通常は△75歩で悪いのだが、後手は△42玉型なので▲86角がきく。対して△64銀▲75歩△63金なら▲45桂で攻めが続く。

▲86角に△84角は辛抱だが、▲75歩と戻して△52玉に▲66歩とした最終図は先手指せる。△同歩には▲64歩△同銀▲74歩で先手良しだ。

最終図以下△85歩は▲同桂△同桂▲67銀△66歩▲76銀。△76歩は▲65歩△77歩成▲同金で、先手は桂損だが歩得で、この後は金銀を前に繰り出していく。

▲77桂に△64銀は▲86歩が好手だ。△同飛には▲97角がある。放置しても▲89飛から▲85桂と攻めることができる。

△52玉には▲57角が継続手だ。△64銀に▲95歩△同歩▲93歩と攻める。

△75歩▲同歩△76歩で桂損になるが、最終図▲76銀とかわした図は先手良しだ。▲92歩成△同香▲93歩が残っている。

さっきの順もそだったが、この戦型は駒損でも陣形の差を主張するという考え方が求めらそうだ。

▲76銀以下をもう少し。

△44角で△77桂成を狙っても構わず▲92歩成以下攻めて、△78成桂で金損になるが▲75銀で飛車を狙って先手良しだ。

先手は▲49玉ー▲38玉と逃げ出す余地があるのに対し、後手の△22銀が壁銀だ。

左辺で戦いを起こし、駒損でも先手が指せるのはこの右辺の陣形差が大きい

①の▲22角成は先手有力の変化だ。

第4図

次に②▲45歩はどうか。

△65歩の交換を入れて▲22角成△同銀▲68銀とする。

そこで△52玉で一手パスをする。これが△42玉ー△52玉とした主張だ。

△52玉型で後手の手番だと△24歩から銀冠を目指し、▲55歩か▲44歩の攻めを警戒する必要があった。△65歩の位で▲66歩ー▲67銀を消し、△24歩を保留することで先手に一手指させる狙いだ。

この図になると後手の狙いが実現するので、①の▲22角成の方が先手は選びたい気がする。これは形勢云々ではなく人間心理で、どちらを選んでも難しい。

①の▲22角成△同銀▲68銀に△65歩としたのは後手は第4図を目指したいからだ。しかしその場合▲45歩と突いてくれず、▲77桂がきくのは前述した通り。

▲22角成の変化で第4図には、なりそうでならない。

第3図から①▲57銀 ②▲88角が考えられる。

①▲57銀は自然な駒組だが、対して△33角がある。

▲77角には△同角成で、▲同桂は△75歩。▲同金は△88角で後手良しだ。

△33角に▲44歩△同角▲55歩は手筋。以下△55同歩は▲46銀左とかわして△56歩に▲55歩で受かる。

△55同角に▲77桂と受け、△75歩に▲56銀右を用意している。以下△76歩▲65桂△同桂▲同銀△77歩成▲75桂の攻め合いは難解だ。

しかし先手陣にはと金ができていて、先手は背水の陣の攻めだ。リスクある手順だ。

▲88角は、△33角のラインを警戒し、次に▲57銀ー▲46銀左と組もうとする狙いだ。

▲88角に△33角と合わせるなら▲同角成△同銀に今度は▲57銀と上がることができる。

後手が△33銀と上がると▲35歩△同歩▲34歩の攻めが生まれるので、△33銀を保留し△64銀ー△63金と駒組する。

先手は▲46銀左と組んで次に▲55歩の仕掛けを狙う。▲46銀直から▲55歩の仕掛けもあるが、将来△35歩の攻めが残る。

▲46銀左に△66歩は手筋。▲同角は△65銀。▲同歩は△75歩とする狙いだ。

△66歩に▲57金も手筋の受け。△65桂▲66金△57桂成▲同銀△65歩で金が取られるが、▲55金△同歩▲同歩で次に▲56桂を狙って先手陣が手厚い。

▲66金に△33銀▲48玉△62玉と待った局面は難しい。△65桂と跳ねているのが大きく、▲55歩△同歩▲同銀と動けなくなっている。

先手がどう動いていくかが課題だ。これは難しい。

まとめ

▲58玉ー△42玉型の将棋も後手の作戦の一つだ。

▲58玉△52玉のときはできなかった手、できるようになった手がある。その違いを生かす指し方をしたい。

まず基本図で▲22角成か▲45歩に分岐する。▲58玉△52玉型の同型では▲45歩が有力だったが、△42玉型の場合は▲22角成も有力だ。

後手の思惑通りになるが、▲45歩△65歩の将棋も難しい。

どちらも考えられる変化で、個性が出そうな局面だ。

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