第1図

△74歩では、△62銀や△52金もある将棋だ。△74歩を急ぐのは△75歩の反撃を見せ、▲35歩の仕掛けを牽制する意味がある。

先手は▲88銀+▲49金と▲79銀+▲58金右の形を選ぶことができる。この△74歩は▲79銀の格好で有力な指し方だ。

これまで▲58金右を保留し▲88銀を優先する変化を見てきたが、この△74歩を牽制した意味がある。

まず▲88銀型ではなぜ△74歩と突きづらいのか。

手順 △74歩▲55角△92飛▲35歩△同歩▲78玉△54歩▲46角△34銀▲56歩。

△74歩に▲55角とのぞく。対して△45歩は▲82角成△同銀▲78金で先手指せる。▲79銀型では△45歩▲82角成△同銀のとき99香が受けづらい。

△92飛に▲35歩と仕掛ける。以下△72銀▲36銀△73銀なら▲78金を選ぶことができる。

単に▲78玉とすると△72銀▲35歩△73銀▲36銀△64銀となったとき、先手玉が戦場に近い。▲35歩△同歩と取らせて▲78玉とすれば、今後△72銀には▲46銀△34銀▲38飛で先手指せる。▲35歩を取ったときと取らなかったときとで、▲78金か▲78玉かを選ぶ意図だ。

△54歩に左側に引くのが自然だが、▲46角と引くのも有力だ。△34銀の受けに▲56歩と突く。次に▲26銀を狙う。

最終図以下は力戦模様だ。後手の陣形をまとめるのには力がいる。

手順 △74歩▲55角△45歩▲82角成△同銀▲77桂△35歩▲同歩△86歩▲78金△87歩成▲同金△36歩▲同銀△55角▲18飛△64角打。

▲79銀型ならば△74歩と突きやすい。▲55角と出たとき、△45歩と突ける。

▲77桂の局面で後手の攻め方はいろいろある。△75歩▲同歩△95歩▲同歩△同香▲同香△76歩▲78金△77歩成▲同金△65桂と攻める順も考えられる。

△35歩▲同歩△86歩に▲同歩は△87角で馬を作ることができる。▲78金△87歩成▲同金に△36歩が狙い筋だ。

最終図は次の△19角成が受からない。以下▲45銀△19角成▲同飛△同角成▲65桂のように反撃して難しいが、先に駒得できるので後手を持ちたいだろう。

手順 ▲35歩△同歩▲46銀△86歩▲同歩△45歩。

▲35歩の仕掛けに△同歩と取る。△74歩が△62銀に代わっていて△35同歩と取ると、▲46銀で、△34銀は▲38飛。△86歩▲同歩△45歩には▲35銀△77角成▲同桂で先手良しだ。

△62銀が△74歩に代わっていれば、最後▲77同桂に△75歩と突いて後手良しになる。

手順 ▲88銀△72銀▲35歩△73銀▲26銀。

▲88銀と備えてから▲35歩と仕掛ければ△同歩と取りづらくなる。しかし▲58金右と▲88銀に2手かけているので△72銀ー△73銀が間に合う。

最終図で▲88銀か▲58金右のどちらかを省略できていれば先手の手番なので、▲34歩△同銀▲38飛△43銀▲35銀として先手指せる。

しかし実際は後手の手番だ。△45歩や△75歩▲同歩△64銀として後手まずまずの序盤だ。単に△64銀としないのは▲34歩△同銀▲38飛△43銀▲35銀△75歩に▲36飛と浮かれる手を消した意味。

9筋の交換は雁木側が得になる変化が多い。この変化をやるときも9筋は雁木側が得だ。しかし9筋が入っていなくても△74歩は考えられる変化だ。

この△74歩が、▲58金右よりも▲88銀を優先する一つの理由だ。

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