すぐに役立つような戦術を紹介したい。
今回は△33金型角換わりでの後手の工夫だ。
△81飛を保留して駒組する
手順 △62金▲48金△42玉。
序盤△77角成と角交換せず、△33角▲同角成△同金と△33金型を作る将棋だ。
詳しくはこちらで検討した。
△81飛を保留し、△62金ー△42玉と駒組するのが後手の工夫だ。その理由を見ていきたい。
△81飛を保留する理由
手順 △81飛▲48金△62金▲56銀△42玉▲45歩△同歩▲24歩△同歩▲45銀。
後手が△81飛を入れた場合、先手は▲29飛を保留して▲45歩と仕掛けることができる。
▲45歩△同歩に▲24歩を入れるのが重要で、突き忘れて▲45同銀とすると、△52玉▲24歩△45銀▲同桂△44金と変化される。
最終図は先手指せる、とされている。
△81飛を後回しにした場合
手順 ▲29飛△81飛▲56銀△32玉。
図から▲56銀と上がると、△65桂の仕掛けが成立する。▲66銀は△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛と手順に歩交換されて先手不満。△65桂に▲88銀と引きたいが、△35歩▲同歩△86歩とされて先手が怖い格好だ。
先手の▲29飛を見て△81飛と引けば、▲28飛型のまま▲45歩と仕掛ける順を消すことができる。
最終図はこれからの将棋で、後手はやりたい局面に誘導できた。
なんの変哲もない序盤戦だが、現代将棋の後手番は序盤から大変だ。
最後に次の一手に挑戦してみよう。
正解 △65桂
△65桂に▲63銀は、△同金▲72角△47銀として後手戦える。△32玉の遠さが生きる展開だ。
△65桂に▲66歩も△54歩▲64銀△45歩▲65歩△66歩と垂らしていい勝負。
△65桂以外の選択肢、△45歩は▲44歩△33金▲35歩△同歩▲43角と打ち込んで先手指せる。
△47銀は、▲同金△38角▲24飛△23歩(△47角成は▲23銀△41玉▲34銀成)▲48金で先手良し。この△47銀を警戒するために先手は▲24歩と突き捨てた。